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06.09.21:03

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  • 06/09/21:03

01.24.00:36

2

「・・・そんな金で、打ってたのか」

溜息混じりに彼が呟く。俺の出番は無さそうだ。踵を引き、松屋のメニューの中で最近食ってないものは何かを思い出すことにする。


彼は尻ポケットから財布を取り出した。二つ折りの財布は札で膨らんでいる。数枚の諭吉を選ぶ指先に中年男の目が釘付けになっている。
二つ折りにした札を指に挟み、顔の前に掲げた彼が言う。
「このくらいの金にも困るような工場か?」
札に手を伸ばそうかと身体を揺らす中年男が、なかばやけくそで応える。
「うっ・・・、うるさいっ。それは利息なんだ。元本が減らない限り、また利息を払わなくちゃならんのは分かってる。でも、払わなきゃ工場はすぐ差し押さえられて、今入ってる僅かの仕事も回らなくなるんだ・・・」
「俺はイカサマはやってねぇ。この金も、あんたに貸すものだ。返すと約束するか?」
思わず、俺はケッ、と声に出した。この男の悪い癖だ。
「か・・・、・・・返す・・・。」
ガクガクと頷き、中年男が両手を札へ伸ばす。
「元本を返すまで、ギャンブルも止めろ。いいな?」
「あ、あぁ・・・。やらない。」
「・・・」
札が渡った。中年男は札にしがみつき、卑しく数えている。「行こう」と彼の声が聞こえて、俺ものそりと歩き出した。
「ま、待ってくれ。利息は・・・、証書は・・・?」
背後から声がする。もう振り向くのも面倒だ。だが、その中年男に少しでも借金の意識があることが意外だった。
「利息は要らない。証書も、返済期限もない。返すときは・・・そうだな、天下一通りの「セレナ」ってバーに届けてくれ。俺は」
桐生だ。と、彼が名乗った。

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